2018春

2018032?

周囲に桜の木は見当たらないが、桜の花びらが空の高いところからはらはらと落ちてくる。春というのは、全てがうまくいく季節だ。

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2018040?

朝の遅い時間に犬を散歩へ連れ出す。もやのかかった青い空、見慣れた商店のモスグリーンの屋根、バス停の古い赤いベンチ、あらゆる景色が描きたての水彩画のような発色をしている。

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2018041?

夜、風の音で目が覚める。裏山でけやきの木のしなる音が聞こえる。ある種の原始的な音楽。

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20180413

朝、ゴミを出しに家を出る。いつの間にかイチョウが一斉に若葉を出した。やわらかな若葉を透過して降り注ぐ太陽光の快活さ。

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20180418

ツツジの動物的な赤紫は夜と相性がいい。

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20180420

人間の女の人生というのは、ちょうど植物のそれと同じように、股から生えた二本の脚を育てるためにあるのではないか?

これは、にわかには信じられないだろうが、駅で、若い女の脚をじっと見ていると、だんだんとほんとうのことのように思われてくるのだ。 

人間の、日々の喜びや悲しみや、そういった感情が、全部美しく湾曲した脚をニョキニョキと伸ばすための肥料なのだとしたら、そんな非道い話はないと思うが、若い女の脚にはそうと思わせるほどの”何か"がある。

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20180422

夏日。夕方散歩しているとじっとりと汗をかく。夏との決定的な違いは周囲の加速度であろう。夏はあらゆるものが破滅に向かう加速度を持っている。今は破滅の気配はない。時は緩やかに流れ、若葉は、風は、蝶は、己の存在が永遠だと信じて夕日を浴びている。