20190206-0207

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20190206

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御殿下を出ると雨が上がって空は晴れていた。薄く霧のかかった構内の空気は清澄で冷えている。

遠く霧の中のビルに西日が差して、精緻な点描画のように美しい色あいをしている。

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20190207

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目を閉じて太陽を見ている

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湯島の天神に梅見に行った。時期が早くまだつぼみだけの木が多かったが、境内いっぱいに梅の匂いが漂い、閑静な午後の空気に色を添えている。

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時期が早くと言ったが、じつはあえて早く来たのである。やはり梅はつぼみがいい。今にも破れつしそうに膨らんだ赤と白のつぼみ……。

花は一つ二つあるのはいいが、それ以上はいけない。無数のおしべは虫のようで、見ていて気持ちが悪い。

つぼみの数も多すぎるのはやはり駄目で、細い枝の先にちらちらと付いているのがいっとう風流である。

背の低い、ゴツゴツと老人の腕のように太い幹に細い枝。その先に膨らむ若々しいつぼみは、ひび割れた山から吹き出る溶岩のように、生命の熱量を感じさせる。

これが私の「梅観」である。ところが、東側の鳥居の内側すぐに咲く白梅についてはこの限りではなかった。

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六、七分咲きだろうか。すでにたくさんの花が押し合い咲いている。花弁は開ききることなくしとやかに咲いていて、揃って生えた純白の花糸は流水のよう。

少女のように健康な美しさを湛えたその白梅に、私はしばらくの間釘付けになっていた。

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