20190526
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歯ブラシを捨てるのが苦手で、毛先が潰れてきても使い続けてしまう。
つい昨日までその役目を忠実に果たしていた道具が、歯を磨く以外何の喜びも知らない道具が、或る日突然捨てられる。直ぐに新しい歯ブラシが補充される。ゴミ箱の歯ブラシのことは誰も気にも留めない。世界は進行する。
この摂理が、あの頭でっかちの、くたびれた、ひょろりと長い日用品の場合に限って特に、なぜか私の身に沁みる。
どうにも落ち着かなくて、ティッシュに包んだりして、決して放り投げたりせず、そっとゴミ箱の隅に置く。
いつかわたしが捨てられる時も、誰かこのようにしてくれるかしら。
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